村上隆です。
私が何故、コング型の立体造形を製作したのか、謎に感じる方がいらっしゃるでしょう。
その疑問への答えとしてこのテキストが役立てば良いと思います。
先ず、ソフビと私の関係性に触れます。
二枚目の写真を見てください。私が4歳の頃、東京都板橋区坂下3丁目と言う住所のほったて小屋のような家に住み暮らしていた頃の写真です。
この写真の頃、父は同心交通というタクシー会社で働き、母は主婦をやり、弟が生まれたばかりの私が4〜5歳の時の写真です。
私の記憶では、家は貧しく、日々カツカツの生活を送っていたような気がします。
その中で幼児にとって「オモチャ」は唯一、現実逃避の道具であり、TVで流れていた子供用のアニメや特撮番組に影響を受けていました。
そして、時は過ぎ、オタクと言う種族が1970年代後半に誕生し、現在は日本の文化の中核となっています。
オタク文化の重要なゾーンにフィギュア造型と言うジャンルがあります。
私は過去、そのゾーンの美少女フィギュアに着目して、それら作品を製作発表してきました。それらをサポートしてくださったのが、造型メーカー海洋堂の宮脇修一さんが紹介してくれた造形作家さん達です。
その宮脇さんが、10年ほど前に、ソフビのブームが変容しながら来ていると言う発言をしていて、オタクジャンルとは違って台頭してきたと教えてくださいました。
そこから私とソフビの関係性を探り始めました。
丁度その頃、私の父が他界しました。
彼の遺品を整理する中で、父が大切にしていたフィギュアでゴリラ形状の物がありました。
そのゴリラフィギュアを素体として、私なりのコング型造型をすることになりました。
父のゴリラのスキャンから、イメージを発展させて、スケッチを進めて行きました。
そんな形で完成したのが、有限会社カイカイキキ製ソフビの第一作目、ZERO地点、と言うことで、この作品タイトルを「ZERO」としてアートソフビとして完成させた次第です。
初期製作リアルスタイル造型
豪華BOX TYPEは100セット創りました。
ソフビという名のコンセプチュアル現代美術と言いましょうか…。
ぜひ手にとって私 村上隆の最新の芸術を体感してください。
村上 隆
【商品詳細】
・村上隆「超弩級人造怪猿獣ZERO」PVCフィギュア 1点
・Serialized with signed certificate
・サイズ:H360mm × W250mm × D115mm
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